随分前にnoteで映画と落語のエッセイをこっそり始めたのですが、1本だけ書いて止まってしまったもの
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シネマトラクゴvol.1「夢(インセプション・夢の酒)」
夢の酒のあらすじ
若旦那が夢の中で誘惑されたと聞き、嫉妬する嫁。苦情を言うよう懇願された大旦那は、自分の夢でその女に会いにいく。夢の中で燗酒を勧められる大旦那。大旦那は女に小言を言えるのか、そして酒は飲めるのか・・・。
インセプションのあらすじ
人の夢の中に入り込み、閃きや考えを盗み取るコブ。彼の元に、実業家のサイトーから仕事が来る。商売敵の大店の若旦那のロバートに「身上を潰す」という考えを植えつけるというものだった。コブは選りすぐりの仲間を集めて、これへ挑む。しかし夢の中に入ると・・・。
先日「TENET テネット」を観てきました。
クリストファー・ノーラン監督の新作です。
第一回の映画は、このノーラン監督の「インセプション」です。
公開されたのが2010年と丁度弟子入りの年でした。
当時は単位不足で卒業遅れの大学5年生で、落語家になりたいとぼんやり思いつつ、寄席と大学通いの毎日でした。
落語に夢中ではありましたが、私の学部が映像関係だったので、学友から面白い映画の情報はちょくちょく入っていたので、「インセプション」を観にいくことが出来ました。
観終えて思い出した落語が「夢の酒」です。
まぁ、ただ、どちらも「夢に入り込む」ってところだけなのですが。
夢を扱った落語は結構あって、少し思い出しただけでも「鼠穴」「宮戸川」「天狗裁き」「夢金」「芝浜」などなど。夢オチも落語ではよくあるジャンルです。そのくらい昔は夢が身近で不思議なものだったように思います。
今でこそ夢のメカニズムが明らかにされ、脳の整理と、少し味気なくなっていますが、昔はその不思議さ故に、お告げ、夢占い、深層心理学と様々な形でみな夢の虜になってました。夢枕に立たれたりで、今につながる色んな歴史が生れてきています。
夢に出てくるくらい好きな人も、昔は思われているから出てくるなんて解釈も、とてもロマンティックで私は好きです。
この夢を見るという行為が、なんだか少し落語を聴いてる時に似ている気がします。夢は人によって様々で、その人の経験や心持ちが表れます。「〇〇の夢」と言っても、誰一人同じ夢を見ている人はいません。落語も同じく一人一人の聞き手の想像によって世界を描きます。その人の経験やその時の気持ちで描かれる世界に一つとして他人と同じ世界はありません。
我々落語家の役割はその想像の世界のお手伝いです。輪郭をはっきりさせ、塗り絵のようにお客様に渡す演者もいれば、色彩豊かな絵を見せお客様にその解釈を委ねる演者もいます。そんな我々の役割もまさに「インセプション」。夢の中に入り込み、ほんの少しのきっかけを植え付けて、考えを根付かせ心を動かす「インセプション」。お客様の心を揺り動かし、世界を描かせる、そんな些細な無意識の植え付けを仕草や言葉や気持ちでやっていきます。
また映画「インセプション」の中で夢から覚める方法を「キック」と呼んでいますが、これがまた落語のサゲを思い出させます。落語という夢の中へ自然にいざなわれ、夢中で聞いて描いた世界が突如として終わりを告げ、ハッと現実に戻されるあの感覚です。
起きながらに夢を見せる落語。起きた後にも心に残る夢。
いい夢でも悪い夢でも、聞いた人にほんの少し何か残せる落語家になりたいなと思います。
夢みたいなことを言ってますが、寝言は寝て言えということで、もう寝ます。
初回はこんなところでおしまい。
映画の感想がもう一つだけ。
アーサーを演じてたジョセフ・ゴードン=レヴィットと友達になりたい。
夢はでっかく寝は深く
五臓の疲れかな。
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↓のインタビューでも似たようなこと語ってます
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